「啐」(そつ)とは、雛が卵からかえる時、内側から殻をつつくこと、
「啄」(たく)とは、母鳥が外から卵をつつくこと、
禅用語で、弟子と師匠との関係、機が熟した、まさに得難いその時、 という意味らしい。
最終日前日、店が終わってから 天満屋美術画廊に出掛けた。
漆芸・木工に取り組む若手作家六名の作品展である。
会場には、小作品から大作まで、素晴らしい作品が・・・!
ところが、欲しいと思う作品には、ことごとく あかまるが付いているではないか・・・。
大盛況の様子が見てとれる。もっと早くに来るべきだった!
残っていた物の中で、私達に購入できるものは、これしかなかった・・・・が、気に入っている。
田代昭夫作のぐい吞み。口縁に金粉が塗られていて、光があたるとキラキラ美しい。
高月さんは別会場とのことで、お会いできなかったが、若手作家の方々が、丁寧に説明してくださり、
とても興味深いお話が聞けた。
なんと、もう生産して無い筈の吹屋のベンガラが保管されており、この機会に分けてもらえたということだ。
吹屋のベンガラの生産は 昭和の頃にはもう行われていなかったということだが、当時のベンガラが
その作家さんのものも、ほとんどが赤○付きで、買えるものがなかった。 悪いな、と思いながら
名刺だけ戴いたが、な、な、なんと、我が家のすぐ近くに住んでらっしゃる!
その時は心残りは全く無かったのだが、・・・・・翌日になって、工業用ではなく、昔ながらのベンガラを
この手に残さないでどうする との思いがふつふつとわき上がり・・・・・ああ また悪い虫が・・・・・
近いうちに、ベンガラを塗った作品を持って、ギャラリーを見に 作家さんが訪ねてくださることになった・・・。