八王子とはいっても、このあたりは山を切り開いた処に町ができているので、緑には恵まれている。
「野猿街道」という名前が残っていることからして、その昔はいかに山奥だったことか・・・
かつて、吉田茂のブレーンだった白洲次郎と正子の旧邸「武相荘」まで 車で4~50分の距離である。
かねてから、白洲正子の 「本物の暮らし」というものがいかなるものか、
是非その片鱗を垣間見たく、行きたい、行きたい、と思っていたのがやっと実現する運びとなった。
彼女のように 貴族の出身でもお金持ちでもなく、外国暮らしも旅行程度に留まり、骨董のめききも
美術のセンスも批評も文章力もない私だが、彼女の生活スタイルにだけはあこがれを持っている。
生活を潤す品々に囲まれ、有能な友人たちに囲まれ、豊かな食文化を発信できる・・・
自分の分を超えない範囲内で、それが私の第三の人生の目標である。